2006年 7月~12月

■2006/12/21 京都府 風力、水力発電事業で赤字
京都府が府内2カ所で行っている伊根町の太鼓山風力発電所と、南丹市美山町の大野ダム(水力)発電所は企業会計として、発電した電気を売って独立採算制にしているが、2005年度の決算はダムの流量減少や風力発電施設の修繕などで初めて660万円の赤字となったことを受け、府監査委員は21日までに、「民間譲渡も含め、今後の事業の在り方を検討すべきだ」とする厳しい指摘を打ち出した。府は「まず、赤字解消の努力をしたい」と慎重な姿勢を見せている。これに対し、監査委員は定例監査の中で、10年度に電力が完全自由化されると、公営電気の売電単価は現在より下がる見込みであることに触れ、「電気事業を取り巻く環境は大きく変化している」と指摘した。その上で、全国では02-04年度末にかけ、和歌山、福島、広島の3県が相次いで公営発電所を民間電力会社に譲渡した例を挙げ、府に対して「民間譲渡などあらゆる可能性を含め、今後の事業の在り方を検討されたい」と求めた。監査委員が公営企業事業の存廃まで踏み込んで、府に再検討を促す例は珍しい。監査委員事務局は「『官から民へ』の流れの中で、府の仕事の範囲が本当にこれで良いのか考え直してほしい、との思いで委員が一致した結果だ」としている。厳しい指摘を受けた府企業局は「民間譲渡の検討は否定しない」としつつも、「電気事業は多少のコストはかかっても、府が環境にやさしい発電を率先することに意義がある。まずは赤字を改善できるよう工夫したい」(経営企画室)と強調している。

■2006/12/06 青森 柏木農3年生、防雪柵に風車発電のLED
平川市の県立柏木農業高校の3年生が地吹雪などによる視界不良時の交通事故を減らそうと、防雪柵に発光ダイオード(LED)を取りつけ、マイクロ風車による発電システムで点灯させる新装置の開発に、取り組んでいる。課題研究の「エコエネルギー」で取り組んでいるもので、積雪地の既存施設と新技術を組み合わせ、学校敷地内で実証試験を行っている。マイクロ風車は、直径50センチほどのプラスチック製のプロペラが付いた、総合建設会社フジタ(本社・東京)と東京工芸大学が2000年度、都心のビル風を制御することを目的に開発。
 柏木農業高は03年度に経済産業省のエネルギー教育実践校に指定されたことをきっかけに、同社からマイクロ風車の提供を受けるようになった。当初は、ビニールハウス内の需要電力をまかなうなどしていたが、積雪地の特色を生かした活用方法として、主要道路に設置される防雪柵にLEDを取りつけるという方法に辿りついた。視界不良時でも、道路幅やカーブの状況などを確認しやすく、風力発電装置を備えているため、大規模な設備などを必要としない。生徒らは1月から、高さ3.8メートルの防雪柵の上端に、直径50メートルのマイクロ風車8台を設置。風向きや風力、発電量などを記録し、青色LEDの視認性も調べている。同校の島谷宏昭教諭は、「雪国の現場でしかできない試験で実用性を確認し、企業や大学と協力して実用化を成功させたい」と話している。

■2006/11/20 タミヤ ループウイング 風力発電工作キットの販売
11月18・19日の2日間、株式会社タミヤ(静岡市 駿河区)は、ループウイング株式会社(東京都 千代田区)とのコラボレーションによる小型風力発電機を12月16日に発売する風力発電工作キットを静岡市のツインメッセ静岡でタミヤフェア2006を開催し、公開した。ユニークな羽根の形を採用することで従来のプロペラに比べて高い安全性と低騒音・低振動を実現したという。
キットの内容は、手にもって早歩きをする程度の風で羽根が回り、連結された発電用モーターが電気を発生。そしてその電気は脱着式のミニカーに充電され、ミニカーが走る。ミニカーは約5~10分の充電時間で1~2分間の走行が可能。 キットはAmazonなどで購入可能で、発売は12月中旬を予定している

■2006/11/20 ニッコー、家庭用の風力発電機を来年後半に市場投入
ニッコー(石川県 白山市)は、開発を進めている家庭用風力発電システムの実証実験を国内三十カ所で行う。実験を基に改良を重ね、来年後半の市場投入を目指す。
 実証実験は半年程度を見込み、風力や稼働状況などデータを集める。同社は既に、企業や自治体向けの小型風力発電機を製造販売しているが、家庭用は同発電機を小型化し、住宅の屋根に取り付けるタイプで、一メートルの羽根三枚を使用、出力は最大1kWを予定し、価格は百万円以下に抑える。同システムは石川県産業創出支援機構の「産学・産業間連携新豊かさ創造実用化プロジェクト推進事業」に採択されている。

■2006/11/19 気象庁、羽田空港にレーザー光線観測装置設置
航空機にとって重大な脅威となる空港周辺の急激な風の変化をとらえるため、気象庁は近く、レーザー光線を使った観測装置「ドップラーライダー」を羽田空港に設置する。
気象庁は現在、羽田を含む全国八つの主要空港に、電波を雨粒に反射させて空港周辺の気流変化をとらえるためのレーダーを設置。国土交通省や空港の管制官らに警報を出し、注意を呼びかけてはいるが、レーダーは、降雨がないと十分に観測できないという欠点があった。新たに設置されるドップラーライダーは、レーザー光線を空気中のチリに当てることで、降雨がなくても半径10キロ以内の風の動きが観測できる。気象庁によると、同種装置を運用しているのは、世界中でも香港国際空港ぐらいだという。国内の空港での設置は初めてで、12月中旬から試験運用し、来年秋に本格稼働する予定。地表に近い低層域で起こる風向や風速の急激な変化は、航空機にとって極めて重大な事故の原因にもなる。1993年4月に岩手・花巻空港で58人が重軽傷を負った日本エアシステム(当時)機の着陸失敗・炎上事故の原因になったほか、海外でも、75年6月に米ニューヨークで115人が死亡したイースタン航空機墜落事故など、多くの事故を引き起こしてきた。羽田空港では、旧整備場地区にあるビルの屋上(地上約30メートル)に設置し、あらゆる天候下で風の急変を検知できる体制を構築して空の安全に役立てる方針だ。

■2006/10/27 EU旧15カ国 京都議定書の目標達成の可能性
EU旧15カ国は共同で、2008年~2012年までの期間に、温室効果ガス排出量を1990年ベースで8%削減することを約束しているが、最新の温室効果ガス排出量予測により、EU旧15カ国は京都議定書目標をなんとか達成できそうな状況にあることが明らかになった。 欧州委員会の年次報告によると、加盟国により計画されているすべての活動が実施され、予定された排出抑制量どおりになったとすれば、8%の削減は、期間半ばの2010年に達成できるとしている。 ただし旧15カ国のうち7カ国は、EU法令で定められた排出上限値を超えてしまうと予測されている。現在のEU25カ国においては、2010年までに、10.8%減を達成できる見込み。

■2006/10/27 発電時のCO2、排出単位上昇
1kWh(キロワットアワー)の電力をつくる際に出る二酸化炭素(CO2)の量が、2005年度には0・425kg(キログラム)と前年度より多くなっていたことが電気事業連合会のまとめで分かった。原発の稼働率が上がったにもかかわらず、CO2排出量の多い石炭火力発電も増えたことが原因という。国内エネルギー消費の3分の1を占める電力の原単位の悪化は京都議定書の目標達成上、大きなマイナス要因で、政府は25日から始まる政府計画の見直しの中で、改善策を検討する。電事連は、経団連の自主行動計画の中で、原発や風力発電などの新エネルギー導入で原単位を10年度に1990年度比20%減の0・34キログラムにする目標を掲げているが、原子力による発電量の増加が見込まれる10年度でも、原単位は0・36キログラムまでしか減らせない見通し。電事連は「(京都議定書の)目標達成は大変厳しい状況になりつつある」と認め、不足分については、原発の稼働率向上や排出の削減枠を海外から購入する京都メカニズムの活用で補いたいとしている。

■2006/10/21 微風でも回転する新型風車を開発
10月20日、当「NPO法人 風」の副代表でもある平瀬敏明氏(京都造形芸術大学 助教授)が新型風車を開発したと発表した。発表された風車は垂直軸型の風車で、円弧状の「整流板」と呼ばれるものがブレードに付いているのが特徴。この「整流板」をブレードの外側に垂直にくっつけることにより、風車が回転すると、カルマン渦を発生させ回転力となって起動性を高めることに成功した。カルマン渦とは流体の中を細い円柱状の物体が通り過ぎた後に生じる渦のこと。「整流板」を設置することで通常の3倍ほどの回転数が得られると言う。特許は申請済みで今後の製品化が注目される。

 

NPO法人風のホームページ: 2006年 7月~12月
http://kaze-net.jp/npo//article.php/20090516103432676